6月第三主日、今日も30度を超える蒸し暑い中でしたが、父の日を覚える賛美礼拝を献げました。礼拝メッセージは伝道者の書9章から。善人も悪人もすべての人に同じ結末としての死が臨むこと、でも、生きている者には希望があること、それゆえ神はすでにあなたのわざを喜んでおられることを心に留めました。「空の空」で始まる伝道者の書は、全般的に虚無的・懐疑的な内容で記されています。信仰もって読まなければ、全く意味を読み違えてしまう書物です。ノーベル賞作家のヘミングウェイをはじめ、文豪ゲーテ、名文筆家ルナン、作曲家のブラームスなど多くの文化人が本書から影響を受け、中でも宗教改革者マルティン・ルターは本書を『慰めの書』と呼んだとのこと。ルターが見出した『慰め』とは何だったのでしょう。そう思ってあらためてじっくり読むと、実に励ましと慰めに満ちた言葉が散りばめられているのがわかります。「しかし、人には拠り所がある。…神はすでに、あなたのわざを喜んでおられる。」神を抜きにして考えるなら、この世はいかに「空」であるか、神を信じて歩むことこそ「空」からの脱却があるということを本書は教えているのです。