だれでも人生に一度や二度…九死に一生を得るという体験をするのではないでしょうか。少しオーバーですが、私も幼い頃、真夏に傷んだおにぎりを食べて食中毒になったことがあります。母親が気づいた時には意識もなく、父親が慌てて近くの病院まで連れて行ってくれたそうです。わんぱく坊主でしたので、それぐらいは日常茶飯事だったのかもしれません…。さて、父ヤコブは12人の息子たちの中で特にヨセフを寵愛していました。それは愛妻ラケルの忘れ形見でもあったからです。それを快く思わない兄たちは、ついに弟ヨセフの殺害計画を立てました。もはや万事休すという時に、ユダという兄が「弟を殺し、その血を隠しても、何の得になるだろう。」と通りがかったエジプト隊商に銀20枚で売ってしまったのです。何とも痛ましい事件ではありますが、結果的にヨセフが命拾いをしたのは間違いありません。ここから想像もしなかったヨセフの物語が始まっていったのです。