仏教と神道が多数派を占める日本でも、この時期になればクリスマスの雰囲気に包まれます。お寺でクリスマスというのも珍しいことではなく、その寛容さが仏教においてとても重要なのだそうです。そういう意味ではキリスト教もクリスマスの日を12月25日に決めた経緯には、他宗教の冬至の習慣を取り入れたことと関係があります。そもそも初代教会の時代、ローマ帝国にはギリシャ・ローマ神話の神々が多数祀られ、その中で宣教するのは至難の業だったはずです。様々な世界観、価値観をもった人たちと上手く関係を築かなければ、社会から受け入れてもらえなかったでしょう。多くのカルト宗教が一般社会から孤立し、摩擦を起こすのは他者の立場との調和を考えないからです。もちろんキリスト教も異教に対して一線を画さないといけない部分もありますが、思い出すのは『信仰において譲らず、愛において譲る』のルターの言葉です。クリスマスは隣人に愛を示す日です。